私が初めて論文を書いたとき、正直にいいますと、どう書いたら良いか全く分かりませんでした。
論文を何報も書いてきましたが、
これでいい!
という自信は最後までありませんでした。ただ、経験的に
このような方法で良いのではないか・・・?
というものはあります。今回は「論文の項目を書く順番」をお話したいと思います。
文系の論文の項目の書く順番
小説などの文章は「起・承・転・結」の書き方が王道ですね。読んでいる人も興味を掻き立てられます。
これは、小説に限らず、面白い論文はこのような形態で書かれてあることが多いです。
論文には、「緒言(導入)」、「材料と方法」、「結果」、「考察」、「図」、「図の説明」が含まれています。
文系の研究は、多くの場合、「著者が考える仮説」からスタートします。そして、すでに確定している資料を集め、研究が展開していきます。
そうしますと、研究はあらかじめ頭で考えた通りの並べ方で進行することになり、論文も典型的な「緒言(導入)」、「材料と方法」、「結果」、「考察」の順番で書くことになります。
理系の論文の項目の書く順番
理系の論文を書く順番は2つのケースがあります。すでに研究分野が確立している場合と完全新規の発見の場合です。
研究分野が確立している場合
頭の中で予想できますので、文系の論文を書く順番と同じになります。
違うところは自分で実験して結果を得ますので、「図」と「図の説明」は初めに作ることになります。そして、「緒言(導入)」、「材料と方法」、「結果」、「考察」の順で書くことになります。
完全新規の発見の場合
完全新規の事象は偶然見つかる場合が多いです。これは仮説がありません。
え゛!
研究でそんなことがあるのですか?
私も経験があるのですが、決まった操作をしている過程でサンプルの組み合わせで突然変な結果が出ることがあります
この変な結果を追試して再現性が確認されましたら、新規な現象の発見となります。これは論文の価値がありますね。
でも、論文には
仮説なんてまったく考えていなかった
実験していたら、偶然、見つかった
と正直には書けませんね。
では、どう書けばいいでしょうか?
私は、「図」、「図の説明」、「材料と方法」、「結果」、「考察」、「緒言」の順番で書いていました。
この順で書きますと、書き上がったところが下支えとなり、1文1文強く書くことができます。そして、論文を書いている過程で、文に対して吟味が高まるため、「考察」を書くときに参考文献を探す目、抜書きする(コピー&ペーストはやってはいけません。)ところを見抜く目が鋭くなります。
ここまできますと、「考察」から「緒言」に書く伏線が思いつくようになります。
また、「考察」で引用された参考文献は、「緒言」の伏線にも使えます。
このように書きますと、論文の書く項目同士のつながりがとても強くなり、その強さが読み手への強い主張となります。
論文の書き方には文系、理系にかかわらず共通点があります。そして、各項目を各順番は、研究分野が確立している場合と完全新規の発見の場合で異なります。
参考にしていただければ幸いです
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