私は優秀な研究者ではありませんでした。でも、人は成長するもので訓練をし続ければそれなりのことができるようになります。
研究者におけるレポートの書く習慣
研究は、実験計画、実験、考察、レポート執筆・報告のサイクルを繰り返します。そして、「レポート執筆・報告」を蓄積し、最後に必要な部分だけを抽出して論文にします。
私が、研究者らしくなったのは、アメリカ時代に先生から毎月の英語の「レポート執筆・報告」を強制されたことから始まります。
初めは稚拙な文章でした。ですが、続けることで、それが3ヶ月、6ヶ月となるにつれ、「緒言」、「材料と方法」、「結果と考察」が綺麗に書けるようになっていきました。
書き続けますと、参考にするために引用文献を見つけたり、英語を読むスピードもそれにつれて速くなります。
これが、のちの私の研究者としての財産となりました
ちなみに、レポートは短いので、「結果」、「考察」ではなく、2者が一緒になった「結果と考察」となる場合が多いですね。
もちろん、項目を各順番は、以前ブログに書きましたように、「図」、「図の説明」、「材料と方法」、「結果と考察」、「緒言」となります。
小学生におけるレポートの書く習慣
小学生にはレポートを書くのは難しいです。ですので、何年何月何日の研究記録として書いてもらっていました。下記に実例をあげます。
テーマ決めのとき
これは私が実際に子どもたちに指導したときのものです。
研究は答えのないものを探求することです。ですので、一番初めは自由です。
大まかなテーマ決めのために、子どもたちを集めて意見を言ってもらいます。
このとき、何でも発言してもいいことにします。それらを黒板に書いていきますと、
- 研究として面白いこと
- 「あれっ!?」というおかしなこと
- 女の子たちからはなぜか恋バナ(研究と何の関係がある?(笑))
- ・・・
と本当にたくさんでてきます。その中で言葉と言葉をつなげますと、面白い方向にテーマが収束していきます。
これをブレーンストーミングといいます
子どもたちには黒板に書いたこと(図の場合は描いたこと)をノートに記録してもらいます。私はズルして携帯で写真を撮影しました(笑)。
実験のとき
結果が分かっていない研究では、「材料と方法」は常に変化します。ですので、どういうことをやったらどういう結果が出たかをできるだけ細かくノートに書いてもらっていました。
これは、実験が上手くいっているときは重要ではありませんが、子どもたち同士で違う結果になったときに、ノートの記録が役に立ちます。
私が指導した子どもたちの場合ですが、前年の結果と今年の結果が正反対になったことがありました。
ノートに書いてあったことを基に実験者は何をしたかを追試しますと、2グループで操作の違いが見つかり、新たな発見と研究テーマにつながりました。
この場合はノートを書き続けて、本人が成長するだけでなく、1年後に研究成果にもなりました。
研究者と小学生の両方のケースを紹介しました。研究者は研究者で小学生は小学生で、それぞれのレベルの成長のためにもレポートを書くのは重要です。
自由研究で悩んでいる小学生のみなさん、あまり深く考えなくてもいいので、まずはレポートを書いてみてください。継続しますと、数カ月後に自身の成長に気がつくと思いますよ。
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